2002年12月13日 NO.55
 第155回臨時国会閉会



 平成14年10月18日から平成14年12月13日までの57日間の会期で開かれていた第155回国会が本日閉会する。
 とり急ぎ、本国会で成立した重要法案をご紹介する。
 そうした中で、三菱総合技術研究所・部長、村上清明さんと日本再生にむけて、意見交換をした。その概要もあわせて以下にご紹介する。


科学技術立国の再生:高付加価値型製造業へ

 ストックホルムで行われた、東京大学名誉教授の小柴昌俊さんと、島津製作所フェロー、田中耕一さんのノーベル賞授賞式。日本は未だ世界の科学技術立国。むしろ、科学技術レベルはバブルの頃をはるかに凌駕している。そんな中、先日、三菱総合技術研究所・科学技術政策部長、村上清明氏と日本の科学技術と産業構造について意見交換した。以下にそれについてご紹介する。

 日本の科学技術レベルは非常に高い。その一方で、製造業は最近振るわない。世界の方向は、アメリカ:最先端技術、ヨーロッパ:BMW等のブランド力の高い製品、中国を中心としたアジア:大衆大量製品と世界におけるそのポジションが固まってきた。日本がかつて得意とした大衆大量製品で中国と価格競争してもかなわない。アメリカの得意分野で追いかけることはできても、追い越すことはできない。
これから、日本が目指す方向は次の3つ。ひとつはアッパーミドル層を中心とした高付加価値型製造業への移行。二つめは、日本の得意分野に特化した科学技術の推進。3つめは、科学技術の研究現場と市場との連携である。そのために行うべき施策は、ハイテクを支えるローテク・日本が得意としているナノテクノロジー・日本固有技術である超電導等の科学技術支援。高付加価値型製造業に対応した創造性を創出する大学教育への転換。科学技術情報・研究と産業・市場を結びつけるコーディネータの育成等である。
日本の賃金は世界最高レベルにある。また、今までと同じように大衆大量製品に力を入れても、展望は暗い。現在の賃金水準を維持したいならばそれに相応しい、価格は高くても本当にいいものを作らないと、世界の中ではまったく競争にならない。勤勉で、手先が器用、さらには知的レベルが高く、伝統文化を背景に感性が非常に豊かな日本人。必ず高付加価値型製造業への転換は実現できる。
国家戦略をたててやるべきことをやりさえすれば、日本の将来は決して暗いことはないのである。



今国会で成立した重要法案

 拉致被害者支援法案を審議した衆院の厚生労働委員会や、原発トラブル隠しを受けた電気事業法などの改正案を採決した経済産業委員会など、出席委員の不足による審議中断が相次いだ今国会。国民の皆様からの強い叱責を国会議員ひとりひとりが真摯に受けとめなければならない。そうした中、今国会で審議され、成立した重要法案の概要を以下に報告する。

構造改革特別区域法案
経済社会の構造改革の推進と地域の活性化を図るため、内閣総理大臣による構造改革特別区域計画の認定、構造改革特別区域に係る法律の特例に関する措置等を定める。また、構造改革特別区域推進本部を設置する。

預金保険法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部改正案
決済機能の安定確保のため、現在の流動性預金の全額保護を平成17年3月末日まで継続し、それ以降は、決済サービスに用いられる要求払い・無利息の預金は決済用預金として金融機関の破綻時に全額保護する制度に移行する。

中小企業信用保険法の一部改正案
中小企業をめぐる金融環境の変化に対応し、中小企業者に対する事業資金の融通の一.層の円滑化を図るため、中小企業信用保険について、特定中小企業者の範囲の拡大等を行う。

中小企業等が行う新たな事業活動の促進のための中小企業等協同組合法等の一部改正案
経済活力向上を図るため、中小企業等が行う新たな事業活動の促進を目的とし、資金調達円滑化のため、投資事業有限責任組合の事業の範囲を拡大。またその設立容易化のため、株式会社や有限会社の最低資本金の制限に特例を設ける。

電気事業法及び核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部改正案
原子力発電に係る安全の確保に関して重大な事案が発生したことに伴い、電気事業法において原子力発電に係る電気工作物の設置者に、定期自主検査及び評価の結果の記録や保存を義務付けるほか、罰則の引上げ等の措置を講ずる。



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