サッカー・ワールドカップもいよいよ決勝戦。日本と韓国で一ヶ月間にわたって繰り広げられた世界的な祝祭も、まもなくフィナーレ。1個のボールをめぐる激しくも華やかなドラマに世界中が熱狂している間に、日本の国会では重要な法案が、十分に審議されることもなく、多数決の論理のみだけで次々に処理されていく。健保法改正案の委員会強行採決などは日本戦の陰に隠れてしまった感がある。かくして世論の注目度が低い中、しっかりとした展望もないままに42日間の会期延長が決まった今国会。レッドカードを突きつけられても退場しない議員もいて、与党チームの方が未だ数では優位。ここは一つ、試合の流れを変えるキラーパスと参りたい。
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負担増、医療費だけじゃないの
今回の医療「財政」改革。成立すれば来春以降のサラリーマンの自己負担率は2割から3割へ。その懐を直撃するのは間違いない。国民に痛みを伴う改革であればこそ、きちんとした説明が必要であるにもかかわらず、ワールドカップ日本戦の熱狂に隠れるようにして、与党は衆議院の委員会で強行採決。そのような不誠実な政治姿勢は延長国会でもしっかりと追及していきたい。
負担増といえば、医療費だけでは済みそうもない雲行きが二つ。ともに厚生労働省絡み、公的年金と雇用保険である。
<未納率3割の公的年金>
公的年金の空洞化が更に進行しつつある。国民年金の保険料の未納率は約3割に達するという(平成12年度)。公的年金自体に加入しない人も増加。現役世代で保険料を負担する「支え手」が減少していくと、制度の維持が困難になる。これは年金制度自体への不信感、少子高齢化の進展で、負担に見合った年金が将来貰えるのか期待できない、取られ損になってしまうかも、という不安感が背景にある。
そこで厚生労働省は、現役世代の将来不安を解消して保険料の未払いに歯止めをかけるため、将来の年金予想額を開示し情報提供の拡充をはかることとした。しかし、対策としては物足りない。このままでは、国民負担増といういつもの安易な対策となる。
国民が安心と信頼を抱けるような社会の構築のために、医療制度改革と併せ、現場の実態を踏まえつつ現行制度の枠にとらわれることなく、より踏み込んだ抜本的な改革を求めていく。
<100万人需給の雇用保険>
長引く平成不況で失業率が5%台の高い水準で推移する中で、失業手当の給付が急増。これは、雇用保険の収支が悪化したことによるもの。
しかし、今回の保険料引き上げで雇用保険の収支が安定するかというと、そうではない。
結局、失業率5%、失業手当100万人受給。これは、現行の雇用保険制度の想定を大きく上回るもの。このままでは際限なき国民負担は避けられない。
過去最悪の失業率が続く今の状況。根本的な解決は景気回復であることは間違いない。日本の社会に元気を取り戻す。そのためには、果敢に挑戦し、失敗してもやり直しの効く社会を実現する。たとえば、セーフティーネットの構築、多様な就労形態に適合するような社会保険制度の構築が必要である。そういった国民本意の改革を求めていく。
延長戦で決着つくか、郵政改革
郵政関連4法案は、小泉首相が最もこだわる改革であるが、その内容には首をかしげる点が多い。
13日に行われた参考人意見陳述において、ヤマト運輸・有富慶二社長は、次のように指摘している。
国による独占環境を維持しつつ、一部の民間業者を参入させて市場の一部を分け与える意図を持った「民間官業化法案」であり、既存のメール便まで規制する規制強化法案である。
現在の郵便事業は規模においてヤマト運輸の2.2倍の売上高。郵貯残高は世界最大の銀行、みずほ銀行の1.6倍、簡保は生保業界最大手の日本生命の2.7倍、その資金370兆円は日本の個人金融資産の1/4になる。そして、これを支える25,000の郵便局網と21万人の職員。
これだけの資産と人材、いうなれば国民の財産を、真に国民のために有効活用できる改革とするか。これがポイント。
民営化だけが前面に出ているが、それは一つの手段であり、改革の目的ではない。官から民へ、自由競争による利用者の利便性向上。更には、財政再建、構造改革を進める上で避けては通れない財政投融資と特殊法人の改革。
小泉さんのスタンドプレイに惑わされることなく、国民本位という本来の目的に即して、しっかりと議論していきたい。
何かが足りない
「何かが足りない」
トルコ戦の後、日本のエース中田の発した言葉。
今、日本、日本人が置かれている状況を端的にあらわした一言であると思う。それぞれの人が、それぞれの立場で足りない何かを克服すべく、健全な自信を持ってその役割を果たす。そうすれば、日本は必ず輝きを取り戻す。
まずは国会議員から。言うに及ばず。
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