2001年7月10日 NO.29
 「アンニョンハシムニカ」は「安寧でいらっしゃいますか」に通ずる
エステ、グルメ、映画もいいけれど、もっと理解し合える韓国と日本。



 シュリ、LIE、JSA。今、日本では若い人たちを中心に韓国映画ブーム。また、若い女性の間では、エステ、グルメを目的に、日本にとって最も近い外国である韓国を、となりの町のように往復する人も急増中。
 しかし、地理的な近さに比して、両国民の心の距離は決して近いとはいえないものがある。半世紀に及ぶ南北分断の現実、最近の教科書問題など、その原因は、いずれもあの悲惨な戦争。
 伴野豊は、そんなやや複雑な想いの絡む隣国と、本音の話を交わせる政治家との関係を構築するため、ソウルへと飛んだ。また中部新国際空港の好敵手となる、2001年3月29日開港したばかりの仁川国際空港の視察した。(7月3〜5日)


昔、板門店、今、JSA

 名古屋から空路、1時間半。本当にすぐに仁川国際空港に到着。まずは板門店に向かう。
 片側4車線の高速道路を漢江沿いに北を目指す。車窓の風景は、殆ど日本と変わりない。ただ、大きな違いが一つ。河沿いに続く鉄条網と点在する警備の詰所、それに兵士達の存在。ここもまた北からの侵入に備える最前線であり、まだ「戦い」が終わってはいないことを否応なしに知らされる。
 「統一路」臨津江のゲートを超えて、JSA(共同警備区域)内のキャンプ・ボニファスへ。ここで、UN軍の担当官からブリーフィングを受けた後、韓国軍のチョン副大隊長の案内で、いよいよ板門店に入る。警備兵の頑なで厳しい存在感と、鈍く光る銃身に、極度の緊張感を覚える。ここでは、まだ戦争は終わっていない、ということ。そして、その不幸な歴史に、我が国・日本も少なからず責任を負っていることを思う。我々が、次の世代に引き継ぐときには、この分断状態を解くべく、あらゆる努力を重ねてゆかねばならない。それは、朝鮮半島のみならず、アジアの、世界の平和のために、我々の世代で絶対に解決しなければならないと痛切に感じた。

 板門店にて、チョン副大隊長、高山一等書記官と



若い世代で建設的な日韓関係を!

[韓国国会議員・鄭柄國氏との会談から]
 鄭柄國(チョン・ピョングク)氏は、43歳。昨年5月に当選したばかりの、伴野と同じ1年生議員である。しかし、金泳三前大統領の補佐官(秘書)を務めるなど、政治的経験は既に充分なものがあり、野党ハンナラ党でも将来有望な若手である。今回の会談は、お互い両国の同世代の議員交流を望んでいたことから実現した。
以下、その一部を紹介したい。

[鄭] 実際、日本と韓国は非常に近い。それぞれの立場もあるが、アジア全体のためにも、友好関係を築いていくことが大切である。心の上では、過去の歴史もあって葛藤があるのも確かだが、これを我々の世代が克服してゆかなくてはならない。
[伴野] 全く同感である。たとえば、教科書問題しかり。史実おいて、それぞれの立場でいろんな見方があるのは仕方ない。しかし、少なくともこれは関係者がすりあわせできる事実の確認が必要。一度両国の専門家が集い、最大公約数的なところを確認したらいい。それが我々の世代の務めでもある。とりわけ、日本において、我々の上の世代から、そういったものをきちんと引き継いでこなかったという反省がある。
 一方、日本と韓国の若い世代の交流が深まることで、おのずと共通点も見出せるし、それが我々の次の世代に、良好な両国の関係を引き継いでゆけるものと信じている。
 韓国は、歴史的・文化的にも、兄の国、姉の国であると、私は思っている(中国を母なる国と見立てて)。しっかり意を尽くして話せば、きっと、いまある壁は乗り越えられるはず。
 また、アジアにおいて日韓中がいろいろと意見を述べ、リードして、はじめて欧米に対してもキッチリとものがいえる。3国の良好な関係の構築は我々の世代にこそできることであり、そんななか、鄭先生とのこういった本音で語れる関係がつくれたことをとても有意義かつ嬉しく思う。
[鄭] 両国の友好関係をつくる上で、若手議員の果たす役割は非常に大きい。いろんな意見の人がいるが、まずはこういった器をつくることが大切である。再び、お互いの仲間の何人かを集めて、こういった会をもつというのはどうか。
[伴野] 是非に。

  

 その他にも、お互いの議員活動の悩み、選挙区事情や、例えばアメリカのようにスタッフの更なる充実が必要なこと。国会議員全体にみる若手の割合、更には南北分断の痛々しい現実、映画や文化交流について等、話題は非常に多岐にわたり、大いに盛り上がった。初対面にして、大いに意気投合。国境を越えて、本音で理解し合える関係を築いていける、そんな確信のできる会談であった。痛切に感じた。



日韓・国土交通計画談議:空港アクセス、一極集中の是正、財源問題から環境問題へ

[韓国国会議員・李在昌氏との会談から]
 続いて李在昌(イ・テェチャン)議員(64)を国会議員会館に訪ねた。李議員は新空港のある仁川市長や京畿道知事、交通部次官や環境処長官等を歴任されたハンナラ党の重鎮議員のお一人である。ここでは、主に仁川国際空港や交通インフラ整備、それと環境問題について、韓国の現状と課題をうかがった。
 まずは開港したばかりの仁川国際空港について。まずは無事開港したというものの、未完成部分もあるという。特に鉄道アクセスが建設中であり、これは早々に開通させたいとのことであった。現時点では専用の高速道路のみであるが、これについては、途中のICをあえて設けないといった大胆な設計になっている。
 そして、既存の金甫空港との関係である。これは国内専用空港としたものの、そもそも仁川への建設を決めるに際して、金甫との天候の補完的関係(一方が霧でももう一方は影響なしという)の土地を選んでいること。そして、搭乗手続き等は交通至便な金甫でも可能としているなど、機能的にも配慮がなされているということであった。
 次に話題となったのが、韓国のインフラ整備について。国土の均衡な発展、とはいうものの、実際問題として、国民全人口の半数近くがソウルを中心とした首都圏地域(仁川、京畿道も含む)に集中する韓国。人口分散を図るといっても法的に規制をかけて、というには無理がある。根本的には、時間的距離の短縮が必要で、その意味で、現在建設中の京釜高速鉄道(KTX)に大いに期待している、とのことであった。
 一方、インフラ整備には財源が必要である。これについては、日本より厳しい、とのこと。そこで、基本は利用者に負担をお願いするものの、国内外、民間の投資を求めていること、その際は利益を保証するようなシステム、事業制の導入を図っている、ということであった。
 最後に話題となったのは環境問題である。これについては、日・韓・中それぞれが知恵を出し合いたい。一例として、中国の東部地域の開発の影響が韓国の西岸地域に及んでおり、また日・韓から当該地域への企業の進出も少なからずある。コストの問題もあるが、3国間、或いは地域レベルや市民レベルでも協議が必要であるとの認識を示された。

 国会議員会館内、李議員の事務所にて




自然との調和を目指した仁川國際空港

[空港公社・尹永杓氏との会談から]
 出国前、仁川國際空港公社・儀典(ゼネラルマネージャー)の尹永杓(ユン・ピョユン)氏から、新空港について説明を受けた。
 仁川国際空港は、まだ開港して間もない空港である。島と陸の間の遠浅を埋め立てた場所につくられた。故に、自然の中にある空港、ということを意識して、環境に与える影響を少なく配慮した。また自然光を積極的にとりいれるようにしたり、といった工夫がなされている、とのことであった。あえて言えば、コンセプトは、自然との調和。環境にやさしい空港。
 施設自体は広大な敷地に展開しており、まだ未完成な部分も残すこともあってか、やや閑散とした印象も受けた。建設中の2本も併せ、合計4本の本格的な大型機用滑走路を備えたこの最新鋭の空港。中部新国際空港にとっても学ぶべきところは多い。
 アジアの最新の空港事情を思うに、改めて、中部国際空港をいかに人々に親しまれ愛されるものとすべきか、その生み方、育て方の考えを一層深めた。

 出発ロビーにて尹マネジャーより説明を受ける


訪韓を終えて

 今回初めての韓国訪問。僅かばかりの滞在ではあったものの、言葉の響きの持つあたたかさ、人々の表情から、韓国は名実ともに近い国であることを実感した。その距離の近さと、文化・風土の類似性など、兄弟の国、姉妹の国として、お互い必ず理解しあえる隣人同士であると確信した3日間であった。また近いうちに再度友誼を深めたい、心からそう思った。


・ 詳しい資料等をご希望の方は、伴野豊事務所までお申し付け下さい。


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